薬学生が解説!pH公式の導出(弱酸編)

薬学生が解説!pH公式の導出(弱酸編)
こんにちは! 現役薬学生のGOTOです。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
おそらく理系選択の高校生なら、pHを求めるために日々ログログしているでしょう。

そんなpH計算を簡単に求めるための公式を以前、私の記事で紹介しました。
以前の記事はコチラをクリック
しかし、公式に当てはめて計算するだけでは、応用問題を解けない場合があります。
そこで、今回は弱酸のpHが簡単に求められる公式の求め方を説明していきたいと思います。
公式を理解することで応用問題にも強くなれますよ!(確信)
導出
弱酸をHAとする。
求める弱酸のモル濃度をC(mol/L)とする。
Kは平衡定数。
Kaは酸解離定数。
[a]は物質aのモル濃度(mol/L)を表す
※水素イオンH+の実体はオキソニウムイオンH3O^+である。
弱酸HAを水に溶かすと、以下に示すような可逆反応により、
オキソニウムイオンの濃度が一定になり平衡状態に達する。
$$HA + H2O ⇆ A^- + H3O^+$$
質量作用の法則より、平衡定数Kは下のように表せる。
$$\LARGE K=\frac{[A^-][H^+]}{[HA][H2O]}$$
水は大量に存在するので、水の濃度[H2O]は一定と見なすことができる。よって、Kaは以下のように表せる。
$$\LARGE Ka=\frac{[A^-][H^+]}{[HA]}$$
$$\LARGE [A^-]=[H^+]より、$$
$$\LARGE Ka=\frac{[H^+]^2}{[HA]}$$
$$ \LARGE ⇔ [H^+]^2 =Ka[HA]$$
$$ \LARGE ⇔ [H^+]= \sqrt{ Ka[HA] } $$
弱酸という事は、電離して生じる水素イオンはごく僅かなので、
$$ \LARGE [HA]≒C(mol/L)となるので、$$
$$ \LARGE [H^+]= \sqrt{ CKa } $$
$$\LARGE [H^+]= \sqrt{ CKa }を$$
$$\LARGE pH=- \log_{}{[H^+]}に代入して、$$
$$\LARGE pH=- \log_{}\sqrt{ CKa }$$
$$\LARGE pH=- \log_{}{ (CKa)^ \frac{1}{2} }$$
$$\LARGE pH=- \frac{1}{2} \log_{}{CKa}$$
$$\LARGE pH=- \frac{1}{2} ( \log_{}{C}+ \log_{}{Ka})$$
$$\LARGE pH=\frac{ - \log_{}{C}-\log_{}{Ka} }{2}$$
$$\LARGE pKa= -\log_{}{Ka}なので、$$
$$\LARGE pH=\frac{ - \log_{}{C}+pKa}{2}$$
$$\LARGE pH=\frac{pKa-\log_{}{C}}{2}$$
まとめ
いかがでしたか?
突然「公式の説明をしろ!」と言われて、説明できる人は意外と少ないです。
しかし、公式を理解しているのとしてないのとでは、成績にも大きな差が出ます。
途中の式変形や考え方が重要で、応用問題にもこの考え方が効果大ですよ!!
今回も本記事をご覧いただきありがとうございました。